今日車で移動中にNHKラジオ「すっぴん」をきいておりました。パーソナリティは私も好きな高橋源一郎さん。今回はその中で読まれた詩を紹介します。
子育て中のママにむけられた詩『今日』
このラジオ「すっぴん」のコーナー中で、伊藤比呂美さんがゲストに呼ばれておりました。そして伊藤比呂美さんが訳されたひとつの詩が読まれました。
それは子育て中のママにむけられた『今日』という詩。
その詩を以下に紹介します。
『今日』 (伊藤比呂美訳)
今日、わたしはお皿を洗わなかった
ベッドはぐちゃぐちゃ
浸けといたおむつは
だんだんくさくなってきた
きのうこぼした食べかすが
床の上からわたしを見ている
窓ガラスはよごれすぎてアートみたい
雨が降るまでこのままだとおもう
人に見られたら
なんていわれるか
ひどいねえとか、だらしないとか
今日一日、何をしてたの?とか
わたしは、この子が眠るまで、おっぱいをやっていた
わたしは、この子が泣きやむまで、ずっとだっこしていた
わたしは、この子とかくれんぼした
わたしは、この子のためにおもちゃを鳴らした、それはきゅうっと鳴った
わたしは、ぶらんこをゆすり、歌をうたった
わたしは、この子に、していいこととわるいことを、教えた
ほんとにいったい一日何をしていたのかな
たいしたことはしなかったね、たぶん、それはほんと
でもこう考えれば、いいんじゃない?
今日一日、わたしは
澄んだ目をした、髪のふわふわな、この子のために
すごく大切なことをしていたんだって
そしてもし、そっちのほうがほんとなら、
わたしはちゃーんとやったわけだ
私はこの『今日』という詩を車の中で聞きました
詩の途中まで聞いたところで、気づきました。
妻が同じ事を言っていた、と。
育児の中「家事もちゃんとやりたい」「夫であるあなたの事もしてあげたい」「でも、それが自分の思うように全然できない」「そんな自分が悔しい」と。
娘の生後6か月目~1歳半くらいまでに多く妻が言ってた記憶しています。
頑張っているけど、自分として消化不良なナニカがあったのだと思います。
私はその話を聞くたびに、「そんなことない良くやっているよ」「全部やろうとしなくていいんだよ」「十分やってもらっているよ」など話したのですが、妻の根本的なナニカは未消化だったように思います。
妻の気持ちは未消化のまま?
そんな中、子供はどんどん育ちました。
育って楽になることも増えましたが、新しく大変な事も増えました。
妻から以前のような言葉を聞くことはなくなりました。
気づいてみるとあっという間に子供は2歳をむかえようとしています。
この詩を聞いた私は、妻のナニカは未消化のままなのか、とふと思いました。
詩『今日』を妻に送った
私はこの詩の記載をネットで探して、紹介されていたブログURLを妻にラインで送りました。
妻の返信がきたのは、それから2時間後でした。
妻から返信がきていました。
そこには、大泣きしたと書かれていました。
子供と公園に行く予定だったけどこの顔じゃ行けなくなった、と。
『今日』はママを励ます詩、ママと寄り添う詩、ママを癒す詩
この『今日』という詩の作者は不明のようです。
ニュージーランドの施設の壁に貼ってあったと、ラジオで伊藤比呂美さんは言っていました。
現在、この詩はニュージーランドをはじめ英語圏のママたちにエールを送るかたちで伝えられているようです。
作者不明でありながら口コミで広まり、ママたちを励ましているようです。
高橋源一郎さんはラジオの中でこの詩が紹介され、読まれるとぐっときたと言っていました。
私も同じでした。
ママは頑張ってくれている
妻は妊娠してからずっと娘と向き合ってくれています。
毎日、毎日、四六時中、それもちゃんと向き合ってくれている。
いつもありがとう。
パパはママと子供に何をしてあげられるだろう。