砂がツボ

妻の話によると、娘がテレビを見て笑うという。

まだ9ヶ月目の赤ちゃんが、テレビの内容理解できるわけがない。

 

砂で笑ってると予想

しかしEテレの、画用紙に砂をかけるコーナーだけは、朝も夕も笑うと言う。

これは、きっと。

砂がびゃっとなるのが面白いんじゃないか?

そう思って、娘を公園の砂場に連れてって面白がらせよう。

 

これはかなり笑うんじゃないか、喜ぶんじゃないか。テレビとは砂の量が違うからね。

 

という、昨日の続きです。↓

 

砂ってオモシロイ

あらためて考えてみたら、砂って子供にとったらオモシロイものなんじゃないか。

興味そそるんじゃあるまいか。

自分の幼少期を思いだしてみますと、やっぱり砂場はおもしろかったですよ。

 

子供の頃、私が砂場でよくやったのが。

砂を手で掘って凹んだ道を作るんです。くねくねした道を掘っていって、最後のところに少し大きめの穴をつくっておく。

 

で、公園内の水道から、バケツでもって水くんできて流し込むんです。そうすると、掘ったとこに水が流れて、最後の穴まで流れていく。

 

ただそれだけなんです。だけど、これ好きでした。何回もやりました。砂を掘るときの感触憶えてます。

 

それに、大人になったら砂浜とか好きな人もいます。ビーチね。

砂浜いくと、裸足になりたい。

砂って皆けっこう好きなんです。

 

広い公園へ行く

で、娘を公園に連れていきました。

それも、広い公園に。

近所によさそうなところないから、車で遠征です。

 

と言いますのも、初めての砂場だから大き目のとこのほうがいいんじゃないかと思ったんです。

 

せっかくだもの。記念すべき、初めての砂場。ね。

これから年月が経って「初めての砂場はあすこの公園だったね」って話せたらいいんじゃないか。

そんな気持ちもありました。 

 

で、そこの公園につきました。

まず芝生の広場があるんです。これが広いんです。サッカー2面くらいとれるくらいです。

 

その端のほうで、娘をおろしました。

赤ちゃん公園芝生でハイハイ

すると、どんどんハイハイするんです。

 

赤ちゃん公園でハイハイ

後ろで足元写ってるの私です。

私のとこからハイハイで、写真とってる妻のとこまできました。

 

妻は、娘が公園でハイハイしてるのが気にいったらしく、ずっとハイハイさせるんです。

赤ちゃん公園ハイハイ

 

赤ちゃん公園でハイハイ

楽しそうにハイハイをする娘

 

ハイハイだけでこんなに楽しそうにするんだから、砂場じゃすごいぞと期待が高まります。

 

私は、砂場が待ち遠しい。

はやく砂場に行きたい。

 

妻の気が済むのを待ったんですが、けっこう時間くっちまいました。

催促して、私が娘を抱っこして、やっとのことで砂場の方へ行くことになりました。

 

砂場についてみると

で、砂場に行ってみると、これが小さい。

思ってたのよりぜんぜん小さい。

でもいいよ砂があれば。砂場だもの。そして私は、人間だもの。

 

娘を抱っこしながら砂場に入ろうとしました。

そのとき、後方から3人の親子が来たんです。

妻の声でわかりました。

 

「こんにちは~」と妻

「こんにちは~」「こんにちは!」「こんにちは」と親子。

 

親子は、ママ、男の子、女の子なんです。

で、このあと「何か月ですか」とか、ママ同志で会話をしだたんです。

 

ママ同志、会話をするのはもちろん良いんです。大賛成なんです。

ただね、私は今はね、娘を妻に抱っこ交換してもらおうと思ってた。

で、手のあいた私が砂を思いっきりすくって、びゃああって撒き散らそうと思ってたんです。そういうタイミングだったんです。

 

で、妻に抱っこしてもらっとくのが難しくなった今、私は、片手で娘を、もう一方の手で砂を、ということになりました。

 

片手で砂をまこう!

いこう。片手で。

ママ同志、楽しそうに話してるし。

待っててもいいんだけど、それよりも雨が心配なんだ。

雨降ってきたら、これは良くない。

雨の中、砂まいたってね。

 

よし、やるよ。

これはもうやるよ。

 

片手で娘抱っこしながら、しゃがんで、もう片方の手で砂をつかむ。

よし、いいよ。砂つかんだよ。

いい調子だよ。

砂がまかれたら娘きっと喜ぶんだろうな。

 

まくよ、砂場に砂をびゃっといくよ!

 

それっ!

びゃあ!っと。

 

まいたよ、どうだい?

と、娘を見てみると、先ほどきた男の子、女の子の方を真剣に見ている。

 

そ、そうか。

うーんわかる。娘の気持ちも、わかんないでもない。

この小さな砂場でね、男の子と女の子が色のついたシャベルみたいなので遊んでるんだもんな。

見ちゃうよな。

 

娘の気をひいてからまこう!

次は、娘の気をひいてから砂まこう。

よし、そうしよう。

さっきと同じように片手で娘抱っこしながら、しゃがんで、もう片方の手で砂をつかむ。

よし、いいよ。砂つかんだよ。

 

まくよ、砂場に砂をびゃっといくよ!

ここで、娘の名前を呼ぶ。

娘、私の顔を見る。

 

よし!砂まくよ!

それっ!

びゃあ!っと。

どうだい?

 

ん?娘、砂見ないで、私の顔を見続けてる。

ああ、なかなか見ないね。

というか、砂の方ぜんぜん見ねえじゃないか。

私の検討違いなのか。

 

いやいや。でも、三度目の正直っていうからもう一回やってやろう。

とそう思ったときに、

 

「ほんと馬鹿なんです」と後方から妻の声が聞こえた。

 

私の事を暴露する妻

「ほんと馬鹿なんです」

まさか違うとは思うが、俺の事話してるんじゃないか。

 

聞き耳たててみると、

 

「砂場に行こうって言われて」

やっぱり、俺の事話してる。

 

「あははははは」

笑われてるし。

 

「40です」

年齢バラしてるし。

 

「近くじゃないです」

遠くから来た事伝えてるし。

 

私は急に、恥ずかしい気持ちになってきた。

 

この砂場の真ん中で、赤ん坊抱いて、砂まいてる自分。

まきちらした砂を見て、笑顔なのは私だけ。

遠くから来て、40歳。

 

なんだか、恥ずかしいような情けないようなそんな心持ちになってきた。

私はただ、娘を笑わせたい、喜ばせたいだけなんだ。

 

砂場は急に静まった

「行くよ~」と先方のママが言った。

 男の子と女の子は、ママの呼びかけに応じて、向こうの紐にぶら下がる遊具の方へ行ってしまった。

 

砂場は急に静かになった。

と、同時に雨が降ってきた。

 

「どうだったの?」と妻。

「だめだった」と私。

「雨降ってきたし、また今度やってみようよ」と妻。

 

落ち込んでいる私を見て、妻が

「せっかくだから砂場で写真を撮ってあげる」と明るく言った。

 

そのときの写真がこちら。

赤ちゃん初めての砂場

愛しい娘に頬よせる私に対して、

 

娘の表情がこちら

赤ちゃん表情

帰り道、妻に「さっき俺の事、馬鹿とか言ってなかった?」と問うてみたら、

 

親馬鹿だ、と話してたんだそうだ。

 

 

今回わかったこと

「砂場に行くなら近くの方がいい」