赤ちゃん便秘「の」の字マッサージ方法

妻が、神妙な面持ちで

左手にワセリン、右手に綿棒を持ち

低い声で「始めます」と言ったあと、

 

ワセリンをたっぷりと綿棒に付け、

娘の肛門にその綿棒をほんの少しだけ挿入した。

 

ややあってから、

抜いて、ひと呼吸おいてから再度、綿棒を挿入、

を数回繰り返していたので

 

それいったい何しているのかと聞いてみると、

 

「静かに」と妻。

 

「え?」

 

「オペ中です」

 

 

わけがわからず見ていると、

 

「キタキタ」と妻が言った瞬間、

 

娘の便通が起こった。

 

 

詳しく話を聞いてみると、娘は便秘になっており

3日に1度のターンを繰り返しているという。

 

そこで、便通を起こすために

上記のような事をしていたのであった。

 

この肛門オペの件から、

僕は娘には、できるだけ己の力で

大便をしてほしい、

肛門への刺激だけはクセにさせたくない

と思うようになり、

 

調べたところ、

お腹をマッサージしてあげるといいらしい。

 

このマッサージは、

お腹を「の」の字を描くように撫でるとの事で

やってみると、非常に簡単、簡単。

娘も嫌がらないし、良さそうだ。

 

とこの日から、僕は「の」の字マッサージを

娘に毎日100回施した。

 

 

赤ちゃん便秘マッサージ「の」の字

 

 

 

そうしてみると、娘の便通の事が

気になって仕様がなく、仕事中でも妻に連絡をとり、

 

「出ましたか?」

 

「まだ出ません」

 

「そろそろ出ましたか?」

 

「まだでません」

 

 

を繰り返して、2日も経ってしまった。

 

 

「意味ないじゃん」と妻。

 

「まあまあ、家宝は寝て待てと言うし」と僕。

 

「は?」

 

 

そして、前回の便通から3日経ってしまい、

例の、肛門オペが執行され、娘便通。

見事なワセリンと綿棒のコラボレーション。

 

僕は、不貞腐れた。

あのマッサージは何だったのか。

 

輝くワセリンと、

絶妙なる先っちょ膨らみの綿棒。

こんなにまで凄いとは。

 

アニメ、プリキュアの主人公が持つ棒は、

ワセリンを塗った綿棒にするべきだ、とまで

思ってしまうほどだった。

 

 

しかし、この後、

ちょっと変わったマッサージ法で奇跡が起こったのである。

 

 

次回へ、つづく。